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『すばるイブニングコンサート 平間今日志郎ピアノリサイタル』公演レポート   2014.01.22

    

第19回目のピアニストは大阪府立四條畷高等学校文理学科1年の平間今日志郎さんです。

 

平間さんは幼稚園のときに、このすばるホールのプラネタリウムを観に来ていただいたそうで、懐かしいホールでのコンサートとなりました。

 

平間さんが最初に演奏してくださったのはハイドンの「ピアノ・ソナタハ長調」。
第一楽章は明朗な曲想を躍動感いっぱいに演奏してくださいました。第二楽章では優雅な曲想を一音一音しっかりと確かめるように、第三楽章では打って変わって軽快な楽想を、鮮やかな指捌きで弾いてくださいました。続いては、ショパンの「ボレロ」。華やかな序奏で始まったかと思うと、ショパンの優美なメロディーが会場に響き渡ります。ボレロとはスペインの民族舞踊ですが、よく聴いていると、ポロネーズのリズムが現れたりして、様々な表情が描かれています。平間さんもそのリズムに合わせて演奏を楽しんでおられるように見えました。そして、最後はブラームスの「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」。この曲が始まった途端、前の2曲とは違う音色がピアノから聴こえてきました。落ち着いていて、かつしっかり抑制がきいた音色で、主題が瑞々しく展開していきます。それぞれの変奏を聴いていると、ブラームスの心に湧き出た、リズム、音色、歌心、そして高度な技巧が様々な世界を想起させます。

 

平間さんの思い切りのあるまっすぐな演奏は、この曲を劇的な世界に仕立てあげ、聴く人の心に深く刻み込まれたと思います。若さ溢れるエネルギッシュな演奏を聴かせてくださった平間さん。そのエネルギーを聴く人の心に届け、元気を与えることができる素晴らしいピアニストです。

 

(担当職員T)

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