「身世打鈴」などの一人芝居や映画・テレビドラマで大活躍の富田林市在住の女優・新屋英子さんとオーディションで選ばれたアマチュアキャストで贈る感動のステージ。

 

 【あらすじ】

劇団の座長、春野うららは舞台を中心にテレビ・映画の世界で半世紀を超えて大活躍してきた大女優であるが、最近はやや痴呆症の傾向が出てきたと陰て噂されている。それでも俳優陣とスタッフ合わせて２９０名の大所帯を支えているのもまぎれもない座長の威光であった。
子役からベテラン俳優まで、全員が座長に認められてヒノキ舞台でスポットを浴びることを夢見て、今日も劇団の稽古場でシノギを削る戦いが繰り広げられていた。
そんな或る日、座長が稽古場で新作の厳しいダメ出しをしていると、不意に激しい落雷と共に停電になり、電気が再び点ると一人の少女が稽古場の片隅にうずくまっていた。
「おや、あんた見慣れない顔だね?　どっからきたの?」
「あの空のむこう、スバル星から」
演出助手がつまみ出しかけるのを座長が制して、
「おやおや星からきたのかい、で、名前は」
「南禅寺いちご」
「いちご?  変な名前。でもわたしイチゴ大好きよ」
稽古場が爆笑に包まれた。
でも、これがとんでもない大騒動の幕開きだとは、その時、誰も気づいていなかった。
そして数々の事件と混乱の果てに、人びとの魂を激しく揺さぶる劇的な感動の
クライマックスが訪れることも、誰ひとり想像すらできなかったのである。

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