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『すばるイブニングコンサート 中山裕稀 ピアノ・リサイタル』公演レポート   2026.03.15

 

 

 

第68回目のピアニストの須磨学園高等学校1年の中山裕稀さんです。

中山さんはバッハの「トッカータ ホ短調 BWV914」から演奏してくださいました。深みのある音色がゆったりと音楽を紡いでいきます。緩急のつけられたテンポと音色や音量の変化は、即興性と構成に豊かな色彩を与えていました。続いては、ブラームスの「ピアノ・ソナタ第2番から第1楽章」。重厚な和音と技巧的で若々しいエネルギーを放つ力強い曲から、息の詰まるような心情の変化を見事に描き出してくださいました。乾きを感じる高音部と湿りを感じる低音部の対比が印象的でした。次は、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第3番」を演奏してくださいました。ブラームスから一転して、軽快な音楽が歌い出されます。豊かなハーモニーと躍動感に溢れるいきいきとした第1楽章、太い低音の響きに乗せて希望を願うような優しく明るいメロディーが奏でられた第2楽章、粒だった小気味の良い音色でリズミカルに演奏されたスケルツォの第3楽章、よどみなく流れるように勢いを保ちつつ、素晴らしいテクニックで豊かな音楽性を聴かせてくださった第4楽章。全楽章の演奏をとおして曲のスケールの大きさを改めて感じさせてくださいました。そして、最後に演奏してくださったのはラヴェルの「ラ・ヴァルス」。暗闇の中から徐々にワルツを思わせるメロディーが表れ、春の訪れを告げるような愛らしい旋律へと変化します。次第に、華麗な技巧と力強さが加わりワルツは大きなうねりとなり、会場に大きな渦を巻きおこすかのようなドラマティックな演奏をしてくださいました。

中山さんは充実したテクニックとスケールの大きい演奏で、作品から新たな魅力を引き出してくださいます。これからも素晴らしい演奏で多くの人の心を魅了してくださることと思います。

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