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『すばるイブニングコンサート 加古彩子ピアノリサイタル』公演レポート   2020.02.15

 

 

 

第49回目のピアニストは大阪音楽大学1年生の加古彩子さんです。
加古さんのプログラムはヘンデルの「シャコンヌト長調」で始まりました。軽やかで明るい音色が会場に響き渡ります。音の粒が小川のせせらぎのように美しく煌めきながら流れていきます。短調に変わる第2部では曲の緩急が心の変化や強い意思を表しているようでした。続いては、ラフマニノフの「絵画的練習曲Op.39-2」静けさが漂う中、深く厚みのある低音、柔らかくも芯のあるメロディーが曲を高みに登らせます。透き通った音色が憂鬱な心情を刻み込んでいるかのようで、とても繊細な演奏でした。次の曲はドビュッシーの前奏曲集より「交代する3度」と「水の精」です。「交代する3度」で小気味の良いリズムが軽快な雰囲気を醸し出したかと思うと、「水の精」では神秘的なハーモニーがいたずらっぽい陽気な水の精の雰囲気を演出し、最後は霞に消えていくかのように終わりを迎えました。次は、シチェドリンの「2つのポリフォニックな小品より第2番“バッソ・オスティナート”」を演奏してくださいました。これまでの曲とは一転して、リズムやメロディーが非常に前衛的で激しい曲です。ピアノからは鋭く分厚い音が響き、加古さんの違った一面を垣間見ることができました。そして、後半はショパンの作品から「序奏とロンド」と「スケルツォ第4番」。序奏とロンドは、指が鍵盤上を目まぐるしく駆け回り、美しく弾むようなメロディーが印象的でした。加古さんは流れるような曲の中でも、音の響きを大切に演奏されていました。最後のスケルツォ第4番は、音楽が呼吸をしているかのように伸びやかな演奏で、清涼感のある美しい音色が輝きを放ち、情感溢れる音楽を奏でてくださいました。
加古さんは透き通った清涼感のある音色をお持ちで、美しく音楽を響かせてくださいます。音楽も自然体で、素直に真っ直ぐ表現されているのが印象的でした。これからも多くの方に美しい音楽を届けていただきたいと思います。

(担当職員T)

 

 

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