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『すばるイブニングコンサート 小田愛音ピアノリサイタル』公演レポート   2024.01.08

 

第60回目のピアニストは大阪府立夕陽丘高校3年生の小田愛音さんです。
小田さんが最初に演奏してくださったのは武満徹の「雨の樹 素描Ⅱ -オリヴィエ・メシアンの追憶に-」。透き通った残響が重なり幻想的な世界を描いていきます。一つ一つの音の強弱は丁寧に演奏され、息をのむような緊張感に包まれました。続いては、バッハの「トッカータト短調」。1曲目と打って変わってふくよかな音色が響きます。左右の手に現れる旋律が対話しているようで、テンポを保った演奏でした。前半の最後はベートーヴェンの作品から「ピアノ・ソナタ第18番」。軽やかに始まったかと思うと、柔らかく暖かい音楽が広がっていきます。第一楽章では厚みのある中低音に支えられたきらびやかな高音、第二楽章では鋭く力強いリズム、第三楽章では優しくうたわれる旋律、第四楽章では勢いよく流れを保った演奏が印象的でした。後半はショパンの「ノクターン第6番」で始まりました。祈りを込めるようなメロディーが美しく、やがて低音がアクセントとなり情熱の高ぶりを表現しているようでした。続いては、リストの「スペイン狂詩曲」。全ての音域が力強く鳴り響き、躍動感あふれるリズムが生み出されます。しなやかさも随所に見られ、華やかでダイナミックな演奏でした。そして、最後に演奏してくださったのはドビュッシーの「喜びの島」。気まぐれなヴィーナスの心情を綴るような、浮き立つ楽し気なハーモニーに小田さん自身も楽しんで演奏しているようでした。
小田さんは終始落ち着いた演奏で、今回のプログラムは小田さんの魅力を十分に活たした選曲でした。そして、温かく厚みのある音色で俯瞰した音楽を奏でてくださいます。これからもいろんな作品でご自身の魅力を広めていただきたい思います。

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