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『すばるイブニングコンサート 長谷川祐音ピアノリサイタル』公演レポート   2022.02.09

 

第55回目のピアニストは西宮市立用海小学校6年生の長谷川祐音さんです。
長谷川さんの演奏はハイドンの「幻想曲(カプリッチョ)」ではじまりました。力強い和音に温かく奏でられるメロディーが絡み合って、流麗に音楽が紡がれます。これからの季節にぴったりな春めいた朗らかな演奏でした。次に演奏してくださったのは、ショパンの「ノクターン第7番」。左手が奏でるくすんだ空間に、色彩豊かな音色がメロディーとなって溶け込んでいきました。続いてはシューマンの「子供の情景(全曲)」。13曲からなる大作を1曲ずつ丁寧に、歌心を込めて演奏してくださいました。『トロイメライ』はファンタジックに、『むきになって』はメランコリックに、『こわがらせ』は消え入るように、『詩人のお話』は語りかけるように、など曲に様々な表情をつけて演奏してくださいました。そして、次の曲はベートーヴェンの「ピアノソナタ第9番」。表現力豊かなスケールの大きい演奏で、左右の手のバランスを保った朗々とした音楽が奏でられました。最後はリストの作品から「2つの演奏会用練習曲」を演奏してくださいました。『森のざわめき』では、葉の擦れ合う様子の表現が難しかったそうですが、その様子がとても繊細に描かれた演奏でした。また、『小人の踊り』では鍵盤上を指が目まぐるしく駆け巡り、ダイナミックな演奏に最後まで惹きつけられました。
長谷川さんの柔らかな指裁きから生み出される音色にあたたかさを感じました。また、音楽の世界に没入する集中力もとても素晴らしかったです。これからの成長がとても楽しみなピアニストです。

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