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『すばるイブニングコンサート 赤松舞音 ピアノ・リサイタル』公演レポート 2025.01.28
第63回目のピアニストは京都堀川音楽高等学校2年生の赤松舞音さんです。
赤松さんがまず演奏してくださったのは、ショパンの「エチュード第1番Op.10-1」。華やかなコンサートの幕開けを告げるように、雄大な音楽が会場に響き渡ります。左手のオクターブが奏でる豊かな和音に、右手がきらびやかなアルペジオを乗せていきます。プログラムノートで「滝」の別名をご紹介していただきましたが、まさにそれを彷彿させる演奏でした。続いてはベートーヴェンのピアノ・ソナタ「熱情」。第1楽章では、交錯する感情を俯瞰するかのように温かな音色と落ち着いたテンポで音楽が紡がれていきました。第2楽章では一つ一つのハーモニーを確かめるように、途切れることなく歌心の込められた旋律が流れました。第3楽章では、息もつかせない激情あふれる曲を最後までしっかりと力強く演奏してくださいました。次に演奏してくださったのは、シューベルトの「即興曲集D935(Op.142)から第3番」。変奏曲スタイルのこの曲を、まるで物語を語り聞かせるように、ときにはリズミカルにときにはきらめく音色で、様々な場面を表情豊かに演奏してくださいました。そして、最後に演奏してくださったのはリストの「村の居酒屋での踊り(メフィストワルツ第1番)」。勢いよく躍動感あふれるリズムではじまると、小気味のよい繊細な音の粒と情熱の込められた技巧的なパッセージの対比が波のようなうねりを生み出し、ダイナミックな音楽の世界を表現してくださいました。
赤松さんは優しく温かな音色をお持ちで、落ち着きのある包容力豊かな音楽を奏でてくださいます。そして、異なる作品でもご自身の音色が映える魅力的な演奏をしてくださいます。これからの成長がとても楽しみなピアニストです。
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