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『すばるイブニングコンサート 原田莉奈ピアノリサイタル』公演レポート   2014.11.20

 

 

 

第24回目のピアニストは京都市立京都堀川音楽高等学校3年の原田莉奈さんです。
原田さんの演奏はまずバッハの「平均律クラヴィーア曲集第2巻第5番」で始まりました。原田さんのふくよかな音色でプレリュードが奏でられ、流れるように曲が展開していきます。そしてフーガでは打って変わってゆったりと、神聖な空間に響き渡るような美しい音色が綴られていきました。次に演奏してくださったのはベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第2番」。ベートーヴェンの若々しく朗々とした曲で、元気よくリズミカルな第一楽章で始まります。ベートーヴェンの創意工夫が随所にみられ、原田さんの演奏によってかけあいが鮮明になっていきます。第二楽章では、集中力を保ちながら一音一音確かめるように、第三楽章では軽快なスケルツォを颯爽と演奏してくださいました。第四楽章では音の強弱を上手くコントロールし、表情豊かで歯切れの良い演奏を聴かせてくださいました。続いては、ラヴェルの「夜のガスパールより“スカルボ”」。力強く始まったかとおもうと、魅惑的な音が奏でられていきます。鍵盤上を指が駆け回り、不気味な低音と輝かしい高音が入り交じってつかみどころのないスカルボの様子が見事に描き出されました。最後に演奏してくださったのはリストの「スペイン狂詩曲」。スペインの舞曲を元に作られた異国情緒あふれる民族的な曲で、リストらしく華やかな技巧と装飾に満ちています。今にも踊りだしそうなリズムとメロディーがピアノから溢れ出ていました。
今回が初めてのリサイタルだったそうですが、自分の持ち味を十分に発揮してくださいました。優しさの中にも厚みのあるふくよかな音色を、それぞれの曲の中で活かすことのできる魅力的なピアニストです。
(担当職員T)

 

 

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