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『すばるイブニングコンサート 山田初音 ピアノ・リサイタル』公演レポート 2025.02.24
第64回目のピアニストは京都堀川音楽高等学校3年生の山田初音さんです。
山田さんのコンサートは、ショパンの「エチュードOp.10-5“黒鍵”」で始まりました。軽やかで優しい音色が会場を柔らかく包み込み、晴れやかに幕が上がりました。続いて演奏してくださったのはベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第18番」。4つの楽章の異なる性格を表現したいとおっしゃったとおり、第1楽章では明るく弾んだ音楽が颯爽とした音楽を、第2楽章では推進力を生むような小気味のよい音楽を、第3楽章ではゆったりと歌心いっぱいの音楽を、第4楽章では強弱がはっきりとつけられ、全身を使って躍動感いっぱいの音楽を奏でてくださいました。後半に演奏してくださったのは、まずショパンの「スケルツォ第4番」。鮮やかで美しいハーモニーと素早い指裁きが生み出すリズムが交錯しながら音楽が紡がれていきます。中間部では郷愁めいたメロディーが切々と語られ、再現部では力強さが加わり情熱あふれる演奏で華麗に締めくくられました。続いては、ドビュッシーの12のエチュードから「7.半音階のために」。右手の指の動きが目まぐるしい作品ですが、左手の低音もしっかりと抑制されていて、エチュード作品でありながらも幻想的な雰囲気を感じる演奏でした。そして、最後に演奏してくださったのは、デュティユーのピアノ・ソナタ第3楽章「コラールと変奏」。これまでとは打って変わって硬質な和音が力強く響き渡ります。鋭い音楽と残響が空間を砕いてしまうかのようで、独特な世界観が描かれました。
山田さんは明るく弾むような音色をお持ちです。そこから奏でられる音楽はとても活き活きとしていて元気なエネルギーを放っています。これからもその音楽性を大切にあたたかな音楽を届けてほしいピアニストです。
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