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『すばるイブニングコンサート 仲吉愛里ピアノリサイタル』公演レポート   2016.04.05


 

 

 

 

 

第33回目のピアニストは京都市立芸術大学1年の仲吉愛里さんです。

 

仲吉さんプログラムはプロコフィエフの「4つの練習曲より第1番」で始まりました。歯切れの良いリズミカルな曲ですが、仲吉さんが奏でる粒のそろったクリアな音色は、さらに曲の魅力を高めていきます。息のつく間もない技巧的な曲を力強く演奏してくださいました。続いては、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第11番」。初期の作品らしく、若々しさに溢れた作品です。仲吉さんは曲の持つ躍動感を、軽快に伸び伸びとした演奏で表現し、全楽章を通して統一感のある音楽を聴かせてくださいました。そして、前半の締めくくりはサン・サーンス=リストの「死の舞踏」。この曲はサン・サーンスの交響詩をリストがピアノ独奏用に編曲した作品です。静けさを伴う不気味な音が曲の始まりを告げると、次第に舞踏を想起させるリズムに乗せて、光と闇が入り乱れるような響きが会場を包みました。後半はバッハの「平均律クラヴィーア第2巻より第2番」で始まりました。軽快な前奏曲と宗教的な香りが漂うフーガは、これまでの曲で張りつめた緊張を解きほぐすかのように新鮮な空気を生みだしました。続いては、ショパンの「練習曲作品10より第2番と第4番」。第2番では、右手の軽やかで小気味よい音の流れを、左手がしっかりとしたリズムで支えます。第4番では、衝撃的な始まりに続いて、右手と左手が交互に急速に流れていき、うねりを創りあげているようでした。そして最後の曲はデュティーユの「ピアノソナタ第3楽章“コラールと変奏”。現代曲らしく斬新なハーモニーと、フランスの作曲家らしい響きが印象的です。動と静という二面性の共存がメランコリックな世界へと誘いました。

 

 仲吉さんの演奏は明るく・元気なお人柄が音楽性にもよく表れていて、聴き手にもその心がよく伝わってきます。また、歯切れの良い粒のそろった音が輪をかけてその表現を豊かにしています。これからも聴き手の心を明るくする演奏を続けてほしいと思います。

 

 

 

 

(担当職員T)

 

 

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