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『すばるイブニングコンサート 橋本崚平ピアノリサイタル』公演レポート 2017.03.19
第38回目のピアニストは大阪教育大学附属高等学校池田校舎1年の橋本崚平さんです。
橋本さんのプログラムの前半にはショパンの名曲が5曲並びました。最初の曲は「スケルツォ第2番」。ダイナミックで輝かしい響きが会場に響き渡り、中間部では美しいメロディーを優しく繊細に演奏してくださいました。2曲目は「4つのマズルカ(遺作)よりOp.67-2、4」。マズルカの軽やかなリズムに、哀愁を感じさせるショパンならではのメロディーが重ねられていき、リズムとメロディーの一体感を味わえる演奏でした。3曲目は、「練習曲Op.25-12」。“大洋”とよばれるこの曲では指が鍵盤を駆け巡り、大波や小波などさまざまな波のうねりを表現していて、高揚感を煽られずにはいられない演奏でした。4曲目は「ノクターン第13番」。橋本さんは中村紘子さんのCDを聴いたときから、この曲を弾きたいと思っていたそうです。左手が奏でる豊かな響きの伴奏にのせて、右手が憂色を感じさせるメロディーを奏でます。やがて、希望の光が差し込み、力強いメロディーに変化していきます。5曲目は「バラード第1番」。ショパンの情熱がいっぱいに込められた作品ですが、音楽の流れを切らすことのない伸びやかな演奏で、高校生らしく若々しい息遣いが聴こえてくるかのようでした。そして、後半はバッハの「平均律クウラヴィーア曲集第1巻より第16番」。プレリュードでは、トリルが多用されていて心の動揺を問いかけてくるかのようです。また、フーガではメロディーの掛け合いが問いかけへの答えとなっているかのようでした。そして、最後に演奏してくださったのはメンデルスゾーンの「幻想曲“スコットランドソナタ”」です。美しく幻想的な序奏で始まると、会場が情熱的で華麗なメロディーに包まれました。終始、一音一音確かめながら丁寧に演奏されている姿が印象的でした。
橋本さんの演奏は太く芯のある音が魅力で、男性的でダイナミックな表現が持ち味です。このステージで経験されたことを糧に、またこれからいろんな経験を積まれることで、更に表現の幅が広がることを予感させてくれるフレッシュな演奏でした。
(担当職員T)
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