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『すばるイブニングコンサート 原田明里ピアノリサイタル』公演レポート 2021.02.16
第52回目のピアニストは大阪府立夕陽丘高校3年生の原田明里さんです。
原田さんのプログラムはショパンの「エチュードOp.25-5」から始まりました。左手の滑らかな分散和音に乗せて、きらびやかな右手の旋律が会場に響き渡りました。続いて演奏してくださったのは、ベートーヴェンの「ピアノ・ソナタ第30番」。原田さんは、清美な音の粒が描く幻想世界と、豊かな響きが描く現実世界の間を彷徨うかのような第1楽章、息のつくまもない緊張感に満ちた第2楽章を表現し、アリア風の主題が様々に変奏されていく第3楽章では音色を変化させることで壮大な世界を表現してくださいました。そして、前半の最後はショパンの「エチュードOp.10-12<革命>」。硬質な音と強弱のうねりによって、雷鳴が轟くかのような演奏を聴かせてくださいました。後半の最初に演奏してくださったのはシューマンの「幻想曲より第1楽章」。シューマンの情熱が優しく語り掛けるように始まり、やがて正負の感情が形を変えて入り乱れ、核心へと迫ってゆきます。原田さんは1音1音を確かめるような丁寧な演奏で、繊細にシューマンの詩情を歌い上げてくださいました。そして、最後に演奏してくださったのは、ドビュッシーの「映像第2集より“金色の魚”」です。黄金に輝く魚たちの活き活きとして姿を、華やかな技巧で描いてくださいました。
原田さんはご自分の出す音を確かめながら、音の強弱をしっかりと抑制されているのが印象的でした。そこから描かれる情感豊かな音楽がとても魅力的なピアニストです。
(担当職員T)
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