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『すばるイブニングコンサート 福田優花ピアノリサイタル』公演レポート 2015.02.15
第26回目のピアニストは京都市立京都堀川音楽高等学校3年の福田優花さんです。
福田さんのプログラムは、バッハの「平均律クラヴィーア曲集第2巻より第3番」で始まりました。女性的な優しく明るい音色が会場に響き渡ります。高音と低音がお互いに支えあって美しいハーモニーを描いていきます。続いては、ショパンの「エチュードOp.10-10」を演奏してくださいました。春のそよ風が吹き渡るようにメロディーが流れ、一足早い春の気配を感じることができました。前半の最後にはベートーヴェンの「ピアノソナタ“ワルトシュタイン”」を演奏してくださいました。この曲では、低音部分と高音部分の捉え方が絶妙でした。第一楽章では、気品ある柔らかい音が重なり、美しさを保ちつつも力強い演奏を聴かせてくださいました。音の粒が際立っていて、特に高音部分は美しくきらきらと光りをちりばめたような輝きを放っていました。第二楽章では、深い音を確かめるように一音一音しっかりと捉え、高音部分と低音部分のコントラストが印象的な演奏でした。第三楽章では、低音部分が階段を昇降するかのように上昇と下降を繰り返しますが、その動きがとても滑らかで、高音の冴えた響きをしっかりと支えていました。そして後半ではまず、ショパンの「幻想ポロネーズ」を演奏してくださいました。ショパンの音楽性が溢れるこの曲では、一瞬の間(静寂)が幻想的な雰囲気を高めていきます。この頃、会場は日没時間と重なり、昼から夜へと移り変わる様子が、この曲の幻想的な雰囲気と重なっているように見えました。そして、最後はラフマニノフの「ピアノソナタ第2番」から第一楽章と第三楽章。ラフマニノフの激しく技巧的な部分と、メランコリックな部分の対比が意識されていて、機敏な指使いと共に、ダイナミックな演奏を聴かせてくださいました。
福田さんの演奏は女性らしい角のない柔らかい音色、音楽性に溢れていて、男性にはまねできない女性的な曲の表情を伺うことができました。まさに、“女流”と呼ぶにふさわしいピアニストです。
(担当職員T)
≪演奏会のお知らせ≫
『京都ゆかりの若き演奏家たちによる協奏曲演奏会』
2015年5月3日(祝) 14時開演(13時開場)
(会場)京都市立京都堀川音楽高等学校 音楽ホール
(演目)ショパン ピアノ協奏曲第1番 ※京都市立芸術大学オーケストラとの共演
そのほか、声楽、サックスなどの協奏曲の演奏もあります。
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